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がんの原因についての誤解 　たばことがんの関係を発見した20世 紀最高の疫学者Sir Richard Dole博士 は、世界的にも広く認められている。た ばこ以外では食物、ついで感染症である。 食物とは日常の食事、つまり野菜、くだも のが少なくバランスに欠けた食事、カロリー の取り過ぎなどで、食品の中のある特定 の物質ではない。感染症は、肝がんの原 因となる肝炎ウイルス、胃がんの一つの 原因となるヘリコバクターピロリ菌、子宮 頸がんのパピローマウイルスなどであり、 我が国ではこの感染症が原因となって いるのはこの図よりももっと多く、20～30 ％ぐらいと考えられる。添加物、工業生 産物、公害、医薬品によるがんは極めて 少ない。しかし、食に関する関心が高く、 よく勉強されている食品安全委員会の モニターの方でも、たばこ以外は全く事 実と異なった受け止め方をされている。もちろん、添加物、農薬、放射線も 大量に曝露されている。また、一般的に食事の場合、カロリー の取り過ぎ、肥満は糖尿病、心臓病のみ ならずがんの発生を増加させる。幸い我 が国はOECD加盟国の中でも肥満者が 最も少ない方だが、米国などはたばこ対 策の次にがん対策としても健康対策とし て肥満防止をあげている。